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甲子園コラム

優勝は一度、記憶は無数――熊本代表が甲子園で残してきた白球の時間

春は一度、熊本は頂点に立った――1958年、その事実から物語を始めよう春の甲子園の話になると、決まってこう言われる。「熊本は、まだ優勝がない県だよね」と。僕はそのたびに、胸の奥で小さく首を振る。それは、事実ではないからだ。昭和33年――19...
名勝負・伝説の試合

甲子園と秋田高校野球の100年史|準優勝のDNAは、金足農でどこへ辿り着いたのか甲子園と秋田高校野球の100年史|準優勝のDNAは、金足農でどこへ辿り着いたのか

夏の甲子園で、ふとアルプスに涼しい風が吹く瞬間がある。灼熱のグラウンドとは裏腹に、どこか“北国の匂い”を運んでくる風だ。その風を、僕はいつも秋田代表に重ねてきた。冬を知り、耐えることを知り、静かに闘志を燃やしてきた県。勝った試合よりも、惜し...
学校別ストーリー

あの夏、奈良は何度も跳ね返された――それでも甲子園に立ち続けた代表校の記憶【天理・智弁・郡山】

奈良は、甲子園で派手に勝ち続けてきた県ではない。けれど、夏が終わるたびに「やっぱり奈良は強い」と、誰もが静かに頷く県だ。灼熱の甲子園。その土の上に立った奈良県代表校は、決して多弁ではなかった。ガッツポーズも、挑発もない。ただ、黙々と白球を追...
名勝負・伝説の試合

静岡県の甲子園出場校・完全史 ――延長19回、逆転の浜商…なぜ静岡は“物語の県”なのか

導入文|「静岡代表」という名が持つ、時間の重み甲子園の大会記録を、静かに一枚ずつめくっていく。そこに何度も現れる「静岡代表」という文字は、決して軽くない。それは勝敗の記録ではなく、時代そのものだ。大正の土埃にまみれた延長戦。昭和の新聞が踊ら...
学校別ストーリー

甲子園と長崎代表の100年史|サッシーの夏から清峰の全国制覇まで、白球が刻んだ県の記憶

僕が甲子園のアルプス席で「長崎」という文字を初めて強く意識したのは、勝った試合でも、負けた試合でもなかった。惜しくて、悔しくて、それでも拍手が長く続いた試合だった。優勝旗は一度も九州の西の端には渡っていない。けれど、白球が運んだ物語の数なら...
名勝負・伝説の試合

勝てなかった県に、勝ち方を教えた男がいた――取手二高と木内マジック、1984年の真実

強い県ではなかった。だが1984年の夏、茨城は「勝ち方」を知ってしまった。「甲子園 茨城」と検索する人の多くは、きっと答えを二つ求めている。ひとつは、茨城 県 甲子園 出場 校の“事実”。もうひとつは、なぜ茨城は長く「あと一歩」を繰り返した...
学校別ストーリー

白球は瀬戸内を越えて――香川が甲子園に残し続けた、勝利と敗北の物語

僕はいつも思う。 香川の甲子園史は、高松商だけで語ってはいけないと。 確かに、高松商は王者だった。 でもその陰で、怪童が生まれ、奇跡の公立校が現れ、そして私学の時代がやってきた。 この記事では、甲子園と香川という長い物語を、 成績表の行間に...
学校別ストーリー

山梨は、なぜ何度も甲子園の“あと一歩”で泣いたのか──夏を越えて、春に辿り着いた全国制覇

【導入──山梨の夏は、いつも挑戦者の色をしていた】灼けつくような夏の風が、いまでもふとした瞬間に記憶をくすぐる。僕が少年だった昭和の終わり、甲子園アルプスで白球の軌跡を追っていた頃──山梨の高校球児たちは、いつだって“挑戦者のまなざし”をし...
甲子園コラム

【岡山高校野球の真実】県勢唯一の春の栄冠から、まだ見ぬ夏の頂へ——灼熱の甲子園を揺らした名勝負の記録

甲子園。真夏の空気が揺れ、金属バットの反響音がスタンドの奥まで届く。その熱、匂い、ざわめきのすべてが、僕の少年時代の記憶を震わせる。岡山高校野球の物語は長い。強かった時代もあれば、悔しさを背負ってきた時代もある。しかし、そのすべてを貫いて流...
甲子園コラム

岩手は本当に“弱小県”だったのか?──百年の証拠が語る、北国が強豪へ変貌した理由

雪国の黎明──盛岡中・福岡中・一関中が切り拓いた岩手の黄金期 岩手の高校野球は、けっして「弱小県」などではなかった──。 この事実を初めて知ったとき、僕は机に積んだ甲子園史の資料を閉じ、思わず窓の外に目をやった。雪が静かに舞っていた。岩手の...