都道府県別・高校野球の歴史

大分代表の甲子園“全史”──津久見の全国制覇から明豊の躍進まで。昭和・平成・令和の真夏の物語

甲子園のアルプス席に立つと、ふと大分の潮風の匂いがした。昭和、平成、令和──時代は移り変わっても、背番号の汗の温度だけはどこか変わらない。僕は何度もその匂いを感じてきた。グラウンドの白線がまだ手描きだった頃も、スタンドの旗が焼けるように揺れ...
名勝負・伝説の試合

甲子園に刻まれた新潟代表の軌跡──雪の下で根を張り、夏に咲いた70年の青春

雪が降りしきるグラウンド。 白い息を吐きながら、少年たちは黙々とボールを投げ合っていた。 バットの音も、声援もない。 ただ、風と雪の音だけが響く――。日本海の風を受ける新潟県。 冬の間、グラウンドは凍りつき、打撃練習は体育館の中。 春を待つ...
名勝負・伝説の試合

奇跡は伊予から生まれた──松山商“バックホーム伝説”と愛媛県代表の全記録奇跡は伊予から生まれた──松山商“バックホーム伝説”と愛媛県代表の全記録

1980年代。僕がまだ汗まみれの高校球児だった頃、三塁アルプスに座っていると、西の空からふと潮の匂いが流れてきた。隣に座っていた年配の男性が、なんとも誇らしげに言った。「坊主、あの空の向こうには伊予があるんや。愛媛の子らは、またここへ戻って...
都道府県別・高校野球の歴史

埼玉高校野球の物語──上尾の衝撃から浦学の悲願へ。「魂をつないだ50年」歴代代表と名勝負の記憶

灼熱のアルプス席で、真夏の風に揺れる紫紺の旗を見上げていた少年時代。「埼玉は関東の中では出遅れている」──そんな言葉が、まだ球場のどこかに残っていた頃だ。だが、あの夏。上尾高校が白球で描いた軌跡が、すべてを変えてしまった。1975年、原辰徳...